植物から学ぶこと

長く手をかけられなかたった庭に

毎日少しだけでも時間を割くようになって3週間。

伸びる気配のない苗にはハラハラし、

グングン成長するものには驚愕し、飽きることはない。

とりわけ今年はハーブの苗を多く植えたので

昨日は自宅での会議に作ったランチに

写真のようにたくさん利用できた。

だが、

今回の函館新聞の連載にも書いたのだが、

料理の調味に利用する程度の量に薬効は期待すべきではない。

すぐに体によいかどうかを語りたがる現代人だが、

指先程度の葉の香り成分で、体に良くも悪くも変調があるとしたら大問題である。

大切なことは、そのことで嗅覚だけでなく、五感すべてが大いに刺激されるということだ。

それは想像を超える効果である。

何種類もの香りが乗った一皿は

議論に疲れた私たちを充分に癒してくれた。

 

そしてつくづく思うのは

植物を見る暮らしから学ぶべきことは

時の流れの早さである。

一夜あけると背丈が違う。

昨日固かった蕾が一気に開花している。

明日写真を撮ろうと思っていたのに、翌朝は散っている。

植物は

時の流れを具現化している。

時間を可視化してくれているのだ。

 

動物の成長も早いが、植物が見せるそれとは全く違う。

魚類を長く見て来た夫と二人で

日々、スゴイスゴイとながめているが、

学ぶべきはわれわれにも同じ時が流れているということである。

なんでも先送りしていては季節が終ってしまう。

「そのうち」、なんて時は絶対に来ない。

今だ、今だと、

ぼんやりしている老夫婦はせかされている気がする。

背中を押されもする。

期せずして植物は

実によい人生のメルクマールになってくれた。